晴さんにも百瀬にも、頭使うめんどくさいことは俺らがやるからみーくんはみーくんにしかできないことやってと言われたんだ。
俺にしかできないことって。
そんな風に信頼してもらえて嬉しいけど俺にしかできないことって他のみんなにはなにが見えているんだろう。なにかできそうに見えますか?
もらった期待を裏切れないからその分の力をつけなくちゃ。誰かのためになることに生き甲斐を感じるもの。他人の幸せが私の幸せ。


メールは終わってしまったし。
髪を切った。
美容師4年目でカット練習中のみずきに切ってもらった。とても上手でした。
頑張ってるんだなって思いました。 人の頑張っている姿を目の前で見てたから。
負けてらんないってまた思いました。おれは前職を3年で逃げ出してしまったんだな。もう飽きてしまったし後悔はなにもないけど、大した技術もつかなかったなって。
僕の周りには美容師さんがたくさんいて、妹もそうだし。美容師なんて度胸もすごいなって思う。人の頭をデザインするんだから。
ていうか、やっぱりみんなすごいや。
他の仕事してる人も、アルバイトでも。自分と違うことしてる人はすごいや。
おれは人としてまだまだだ。
人としてしっかりしてないから面接でダメになるんだ。
なんか最近、バイト始めてお金もらえればいいやって考えにまたなってきちゃってる。お金が欲しい。お金が欲しい。
お金のために生きてるんじゃないんだ。違うんだ。
だけど世の中のほとんどのことはお金で解決できる。お金は欲しいお金は欲しい。

百瀬はこう言ってた。
大好きな人のために世界を変えるって。
もしも最愛の人が不治の病になったとき、なにもできなかったらおれは死ぬと思うから。もしも世界で1番力を持った人だったらどうにかして救えるかもしれない。
だからそのために世界を変えなくちゃいけないって。


一瞬飛んだ発想だと思ったけど、全く、その発想に関心してしまった。
愛が世界を救う。最愛の人を守るのが僕らの役目だもの。

あいつはロックでおれはパンクなんだよな。

百瀬はさ今まで言ってきたことやらなかったことはないんだ。ちゃんとやり遂げてきてんだ。それを見てきてるから、信用してる。信頼してる。尊敬してるし、あいつみたいにはなれないって思ってる。そんなやつに一緒にやろうって言われたから。
百瀬を見てるだけでも充分よかった。おれはあいつの友達だから。百瀬の話を自分の自慢話のように話すもの。すごい面白やつがいるんだって。そんなこともう周りのみんなが知っているけど、百瀬は言ってくれた。北見が俺に興味をもってくれた最初の人間だと思うからって。
俺は充分刺激を受けてパワーをもらってきたつもりだったよ。それだけだと思ってたけど、だけどなんだかがっつりとハマり混んできて、百瀬が世界を変える、俺がその立役者の1人になれたらなって思うようになり始めた。
だから今は一緒に世界を変えることに向けての準備期間なんです。あいつはマジで起こすよ。じゃなきゃ百瀬が死ぬんだ。

まだなにもしてないのに買われている俺。
妄想でわくわくは止まらないけど、中々前に進めないよ。

応募ばかりたくさんしてるけど、本当は面接に行きたくない。軽い恐怖症。
だけど就活用に新しいワイシャツとヴィヴィアンのネクタイを買いました。ああ服買いたい。
今日応募した中で一件、ファッションデザイナーとして応募しちゃったし笑 やっぱりそっちにもできるなら興味はあるからね。だけどファッションなんて狭いんだよな。先進国ではお洒落ができるけど発展途上国ではファッションなんてどうでもいいんだから。ファッションではね、世界を救えないんだよ。
インターネットも、映像も、ファッションも、写真も、空間も、デザインを通して影響を与えられる。そんなオールマイティなデザイナーになりたいんだよね。
最上級のクリエーターに。

飛んでいきたいな。天空に。